人工知能の生み出せない付加価値を探してみる。

人工知能の生み出せない付加価値とは何か?

人工知能の生み出せない付加価値について考えるためには、人間が生み出せる高度な付加価値について掘り下げてみることが大切な視点です。その視点を広げるためのキーワードが、ホスピタリティとクリエイティビティです。

ホスピタリティが求められる仕事は人間の仕事

ホスピタリティとは、「おもてなし」を意味する言葉ですが、人と接する場面で求められる思いやりや気配りなどを発揮して、歓待することです。
このホスピタリティを具体的に表現することは難しく、習得することも困難なスキルです。
人間でも再現が難しい能力であるため、人工知能で生み出すことが難しい付加価値になります。ホスピタリティを発揮するためには、まず相手の仕草や行動をしっかりと観察をして、相手が何を求めているのが察することが求められます。

次に、その相手がどうしたら喜んでくれるかを想像して、応対する必要があります。
この部分は、相手の反応を想像するだけではなく、実際に相手がどう感じているかを敏感に読み取って、コミュニケーションを取ることが求められます。
こうした相手の感情を察する能力が高い人がホスピタリティの高い仕事をしているのです。
例えば、相対している人を褒めるという行動は、非常に高いスキルを求められます。
褒めることは、パターン化することは難しく、場面によっては、褒めることで相手を不快にさせてしまうこともあります。
パターン化された上辺だけの褒め言葉は、心地よさを演出することはできても、心が通じ合うような感動を生み出すことはありません。
こうした高いホスピタリティが付加価値となる職業は、人工知能やロボットでは生み出せない付加価値作りを求められています。

人工知能のクリエイティビティには限界がある

クリエイティビティとは、「創造性」を意味する言葉ですが、頭の中で生まれたアイディアを形にして表現する能力のことです。
ビジネスの世界では、新規事業や企画づくりの場面で、求められる力です。クリエイティビティの能力が求められる仕事は、デザイナーやプランナーだけではなく、新しいアイディアを形にする経営者、システムの設計、人工知能の使い方を考える業務などが考えられます。人工知能がクリエイティビティを発揮する時に、大きな壁になるのが、過去に縛られてしまうことです。良いアイディアは、形作るまでは、良いアイディアになる得ることはなく、斬新なアイディアほど、誰にも理解できない発想だったりするからです。
アイディアを形にするためには、そのアイディアの可能性を信じて、根気強く育ててゆく時間が必要な場面があります。自らが信じているアイディアの情熱を向けて、実現してゆくことは人間にしたできない活動になるのではないでしょうか。人工知能が提案してくるアイディアの種から、一見パッとしないアイディアを探し出すことは困難であり、人工知能が生み出したパットしないアイディアを育て上げることは不可能に近いようにも思えます。なぜなら、人工知能が生み出しアイディアは無限大であり、そのデータを精査するためには一定の基準が求められているからです。データを精査するためには、不要なデータをクリーニングする必要があります。
そうした場面で、一見パッとしないアイディアは淘汰されてしまうはずです。
アイディアは発想の良し悪しではなく、そのアイディアを実現させる為にどのように見せるかが大事だとも言えます。
否定されたアイディアをどのようなシナリオで魅力的なアイディアに変えてゆくのか、その取り組みには、粘り強さと可能性を信じる勇気が求められます。

ホスピタリティとクリエイティビティには遊び心が求められる

人工知能が、ホスピタリティやクリエイティビティを発揮することが難しい背景には、ホスピタリティとクリエイティビティには遊び心が求められることがあるからです。
クリエイティブであるためには、子供のような好奇心や純粋な発見を喜べる能力が必要になります。WAO!すごい!そのような楽しさから、アイディアは生まれてくるからです。