人工知能の導入を検討する際に確認しておくべき3つのポイント

今回は、人工知能の導入を検討する際に確認しておくべき点をまとめてゆきたいと思います。

AIの導入時に確認しておくべき3つのポイント

1)ビジネスモデルとして成り立つか

新規プロジェクトを進める際には、PoC(Proof of Concept)を行うことが求められることが多い。PoCとは、概念実証のことで、新規プロジェクトを実施する上での仮説の検証やコンセプトの有効性を検証することです。
正式に導入するか、導入を見送るかを判断するために、プロトタイプを制作したり、テストマーケティングを行うことで、意図したような効果が生み出されるかを検証してゆきます。

2)人が使いたくなるサービスか

ビジネスとして成り立つサービスを提供するためには、人が求めるサービスを提供する必要があります。人間が本能的に求めるサービスは、人間が持つ7つの大罪(傲慢、怠惰、嫉妬、憤怒、強欲、暴食、色欲)を満たすような部分があるとニーズが高いと言われています。

3)技術的に実現することが可能か

素晴らしいアイディアも実際にテスト運用してみると思ったように上手く機能しない時があります。期待していたほどの精度を出すことができなかったり、学習に使うデータが十分な量と質が保てなかったりすることもあります。またサービスとして成り立つレベルにするためには、技術的なハードルが高い場合もあります。
特にコンセプトが素晴らしいサービスほど、実際にプロト版などを制作した段階で、高い技術的なハードルが生まれてくることがあります。
サービスの提供価値からシステムを設計してゆく場合には、こうした技術的な壁にぶつかることが多いので注意が必要です。

技術的に可能であってもニーズがなければ成り立たない

人工知能(AI)の導入を検討する際によくある話ですが、技術者主体で検討を進めてゆくと技術的に可能なことを取り組んでしまう傾向があります。
そうした点を念頭に入れ、プロジェクトを推進する際には、技術的に可能であることよりも、ビジネスとして期待値や可能性が高いかに着目することが重要なポイントになります。
そうした視点でみると技術的に実現が難しい取り組みでも、市場のニーズが高いサービスを提供することが可能であれば、時間を掛けて課題解決をしてゆく価値は高いと言えます。
できることをやるのではなく、ニーズのあるモノを提供するという視点は大切な視点になります。

人工知能(AI)の導入を検討するために必要なスキル

人工知能(AI)の導入を検討するためのスキルを向上させるためには、どのようなスキルを磨く必要があるでしょうか。
まず第一に、人工知能(AI)の技術を理解しておく必要があります。日々、進化し続けている技術なので、情報を収集し続けるために信頼できる情報源を見つけておくことが大切です。特に海外の方が技術的には先行しているので、海外の動向も把握できるようにしておきたいものです。
日本国内で人工知能についてまとめている情報サイトの多くは、海外の情報も収集しているので、そうしたメディアから情報を集めて、興味がある情報は、元情報(英語など元リソース)にも目を通しておく方が有効です。
英語のサイトであれば、Google翻訳などの翻訳精度も飛躍的に向上していますので、翻訳して学んでおくと良いと思います。
加えて、自らが技術者でない場合には、そうした新しい技術に対して、技術者の視点での評価を集めておくことも大切になります。

そして、プロジェクトを推進する能力です。

プロジェクトが上手く進むための絶対条件が、プロジェクトの推進能力があることです。
実際にやってみて、その結果を検証して改善し続けること以外に、プロジェクトが成功する見込みはありません。
計画を実行することが一番難しいとも言えます。
実際にプロジェクトを進めようとすると数多くの壁にぶつかります。技術的なハードルだけではなく、数多くの交渉の場面に直面します。プロジェクトを動かすためには、推進力に加えて、交渉力や調整力も必要になります。
また、プロジェクトの全体像を鳥瞰的に見て、効果的な対策を先行して手配して行く、そうした判断能力や段取り力も求められます。