人工知能とは何か
そんな問いがあったとしたら、どんな答えを用意するだろうか?
Wikipediaには、人工知能(Artificial Intelligence)とは、言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術のことと書かれていますが、もう少しわかりやすく定義すると人間のように思考するコンピューターだと言えると思います。
もちろん、現時点での人工知能は、人間のように思考するレベルには達していないように思いますが、特定のジャンルでは人間を超える思考を生み出し始めています。
思考とは、考えや思いを巡らせることで、周りの状況にあわせ課題を解決してゆく方法を考えることです。答えを見つけるために模索し続けることが人間がAIよりも優れている部分だと言えます。
また、解決すべき課題を明確にするためには、答えを見るための視点である問いが重要になります。
人工知能が思考するには、問いがとても重要である
人工知能(AI)を使いこなす方法として真っ先に考えられるのは、ツールとして人工知能をつかいこなす方法です。この人工知能の力を人間が引き出すためには、人工知能と人間が上手く共存してゆく必要があります。お互いに協力し合うことで、新しい何かを産み出す力が生まれてゆきます。
人工知能が進歩してゆく中で、人間は人工知能とどのような形でお互いに補完し合う関係性になれるでしょうか。ディープラーニング(深層学習)は、人間の神経細胞(ニューロン)の仕組みを模したニューラルネットワークを基にしており、このニューラルネットワークを多層にすることで、学習データに含まれる特徴を段階的により深く学習することを可能にしています。
すでに、人工知能の導き出す答えは、時には、予測不可能な答えを導き出すこともあります。例えば、AIの予測プログラムは、人間以上の精度で解答を導き出します。
人工知能が、なぜその答えを出せるのか?もう人間には、その理由がわからない状態になりつつあります。どうして、その結果に結びつくのか人間には理解ができない答えが見つかることがあるのです。
しかも、その答えが秀逸だったりすることもあるのです。
人工知能が生み出す答えから、想定外の結果が生まれた時に、そこから人間はどのように新しい思考を重ねてゆくかを考えてゆく必要があります。このための必要な材料が質の高い問いになります。
人工知能と対話するように質問を洗練させてゆくことが、人工知能の開発には求められてゆくのではないでしょうか。なぜなら、思考の元になるものは質問だからです。
人工知能に問題を定義することで質の良い答えが生み出される。
優れたアーティストやクリエーターは、優れた問いを生み出してゆきます。
理論物理学者のアルベルト・アインシュタイン氏は、「問題を解決するのに 1 時間あれば、その問題について考えるのに 55 分、解決策について考えるのに 5 分を費やすだろう」と言ったと伝えられています。
問題を定義することは、答えを導きだすために、とても重要な要素になります。常に、問いを投げかけることで、既存の考え方にとらわれない、新しい方向性を導き出すことができるからです。
もちろん適切でない問いからは、質の良い答えが生み出される可能性は低いですし、その質問が適切ではないサンプルになり、学習の効率が下がってしまうこともありあります。
そうした寄り道は、多くの場合、上手くいかない可能性が高いのはずですが、今まで見出していない答えと出会う可能性も高い取り組みです。
適切な質問に対して、人工知能が導き出す答えは、まずは正確だと考えてみることで新しい視点を手に入れることができるかもしません。
質問の質が人間も進化させてゆく
優れた問いは、人間にも新しい視点を生み出すことになります。
人は、常に新しい問いを生み出し課題を解決し続けてきました。
哲学のような普遍的な問いも人間が常に向き合い続けている問いの一つになります。
文明の進化を受け入れる人もいれば、文明の進化によって失われてしまったものも数多くあります。
それは今後、人工知能が進化する中でも数多く生まれてくる変化になると思います。
同時に、人工知能から発される質問へ人間が向き合うことで、新しい思考を身につけることにつながるのではないでしょうか?