AIを搭載した自爆ドローン(AI兵器)と軍事産業の発展

映画ターミネーターの世界では、核戦争により人口が激減した世界で、人工知能スカイネットが人類を敵と見なすようになり、機械軍を使って人類を攻撃し人類は絶滅の危機を迎えています。

そのようなSF世界での出来事がリアルに感じる出来事が起こり始めています。

世界の大国は、相次いで、軍の中枢にAI(人工知能)兵器を配備する計画を打ち出し、人間の判断を介さず攻撃するAI兵器が実戦配備され始めているのです。

 

人の本質は戦争をするものなのか?

人類は何度も戦争を繰り返してきました。
中世ヨーロッパでも戦争は繰り返され、日本にも戦国時代がありました。
第二次世界大戦までは戦争は当たり前の出来事だったとも言えます。

第二次世界大戦では、日本に核兵器という非人道的な武器が使われました。
その後、1945年10月24日に国際平和と安全の維持を目指し世界51ヵ国の加盟国で国際連合(United Nations)が設立されました。

それから世界に倫理観は生まれているものの、戦争は制約のある中でも未だに行われ続けています。

根本的に争いはおこるものなのかも知れません。

その闘いを止めるための歯止めになるのが人の感情であるとも言えます。

どんなに憎い相手でも同情はしてしまうし、簡単には殺すことはできないはずです。

そこに歯止めが掛かるのは人を殺すことは良くないという倫理観が根底に流れているからです。

AI兵器というものがプログラム(命令)通りに作用するとすれば、そこに躊躇はない。
そこが一番恐れるべきポイントになります。

 

 

AI(人工知能)を搭載した自爆ドローン(AI兵器)

AIを搭載した自爆ドローンの攻撃を受けた兵士は、頭上に旋回していたドローンが隠れた塹壕の中まで追いかけてきて自爆したと恐るべき体験を共有しています。

戦場でスマホを検知すると、AIはスマートフォンの通信を探知して、位置情報や距離などを正確に割り出して自動的に攻撃するメカニズムの兵器なのです。

これらの兵器は、攻撃に際して人間の判断が入らないでAIを搭載した兵器自身が標的を判断して攻撃を行う自律型殺傷兵器(LAWS:Lethal Autonomous Weapon Systems)と呼ばれています。

人間の判断を介さないで標的を攻撃することには、非倫理的であるという理由から、多くの著名人やAI技術者らが自律型殺傷兵器の開発と使用に反対しています。

上記に加えてAI兵器の怖さがもう1点あります。

それは、AI兵器が数千ドルで作れる技術であることです。
低コストで量産が可能であるため、武器製造の抑止力が大きく揺らぐ可能性もあります。

 

軍事産業が経済を支えている

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の世界の軍事企業ランキング調査では、軍事産業が大国の経済を支えている実態が示されています。

 

2019年上位5つの武器会社はすべて米国に拠点を置いています。
ロッキードマーティン(Lockheed Martin)、ボーイング(Boeing)、ノースロップグラマン(Northrop Grumman)、レイセオン(Raytheon)、ジェネラルダイナミクス(General Dynamics)です。これら5つを合わせると、年間武器販売額は166億ドル(約1兆8200億円)に上ります。

米国が戦争に介入する本当の理由は、米国の軍需産業が潤うためだと言われているのも納得できる規模のビジネスです。

また、トップ10には、中国航空工業集団(AVIC; 6位)、中国電子科技集団公司(CETC; 8位)、中国電子科技集団公司(NORINCO; 9位)の3つがランキングに入っています。

中国南方工業集団公司(CSGC、24位)を含む上位25社の4つの中国企業の合計収益は、2018年から2019年の間に4.8%増加したとのレポートもあります。

この数字は、米国に次ぐ2位で、ロシアを上回っている。

中国は情報開示が不十分なこともあり、中国の全体像を把握することは難しいことも考慮すると経済成長に伴って軍事力をかなり拡大してきている事がわかります。

 

AI(人工知能)技術発展のために戦争は必要なのか?

インターネットは、開発段階で軍の資金が活用されたのは有名な事実です。

カーナビげー―ションで使われているGPSも、もともとは軍事目的で発達した技術で、その恩恵を受けているのです。

ロボット技術や自動運転の技術も、軍事技術に近い場所で研究開発が進められている。

戦争の歴史と共に人類は多くのテクノロジーを手に入れてきましたが、軍事産業で発展したAI(人工知能)には、SF世界での恐ろしい出来事が現実の様に感じる危うさを感じてしまいます。