世界の人口が増え続けた時、人工知能が人類滅亡を招く恐れが生まれる

最近、人工知能(AI)が人類滅亡を招く恐れがあると、専門家らが警告を発しているとの話題を耳にすることがあります。

実際に、アメリカでは、下記のような声明に、テクノロジー企業のトップたちも署名をしています。

Statement on AI Risk
https://www.safe.ai/statement-on-ai-risk

Mitigating the risk of extinction from AI should be a global priority alongside other societal-scale risks such as pandemics and nuclear war.

AIによる絶滅のリスクを軽減することは、パンデミックや核戦争など他の社会的規模のリスクと並んで、世界的な優先課題であるべきです。

人工知能(AI)が人間の意思や価値観に反して行動し、人類の存続や幸福に危機をもたらす可能性があることをAIによる人類絶滅リスクと捉えれば良いと思います。

こうした主張の背景には、次のようなリスクがあると考えられています。

1)AIの兵器化のリスク。人工知能が化学兵器等の製造に使われるといった脅威。
2)AIで生成された偽の情報が社会を不安定化させ、集団での意思決定が、まとまらなくなる可能性
3)AIの力がより少数の人に集中し、監視や検閲を通して、狭い価値観を人間に強制できるようになる可能性
4)人類がAIに頼って、どんどん衰退してゆく可能性

この中でも、偽の情報が拡散され、その結果として現実社会が分裂し、その分断により、(結果的に)間違った側にいる人たちが活動できなくなりバランスを失うリスクは、とても大きいと思います。

歴史を辿ると、戦争は勝利した側の理屈で、正しさが定義されてしまいます。
正しい行動だと正当性を主張したとしても、戦争は、人類が自ら同じ種を滅亡させる活動だとも言えます。

そのように考えると、人工知能の影響を受けた人間が、人類滅亡を招く恐れが生まれていると考えられるのではないでしょうか。

まったく別の視点として、人工知能の機能が飛躍的に向上するようになり、先行的に技術を持っている企業が、競合他社の開発進行を妨げる動きをするために警笛をならしているとも言われています。

世界の人口が増え続け、自ら人類滅亡への道を進んでいる。

地球上で、世界の人口は1800年頃は10億人程度だったと言われています。その後、経済発展とともに、乳児の死亡率が減り、病気のリスクも低減されたことで、平均寿命が延び、人口が急速に増え、1920年前後に20億人となり、その後100年経つ2020年で4倍の80億人まで増えています。
今後も、途上国を中心にしばらく増加してゆきます。

人間は、さまざまな道具を開発して、自分たちの生活を豊かにしようとしています。

その代償として、地球環境に悪い影響を与え続けています。世界の人口が増え続け、自ら人類滅亡への道を進んでいるとの言われています。

人間の生活を豊かにするために、自然を開拓することで、自然を破壊しています。

食料が足りなくなるほど、食べる活動は、地球上に存在する食物連鎖の活動とは大きく逸脱しています。

この状況を改善するためには、人口を減らすことが、一番合理的な考えで、そのようなアイディアに賛同する意見もあります。

第6次大量絶滅とは何か、私たちは何ができるのか?

世界自然保護基金(WWF)に掲載されている第6次大量絶滅についての記事から引用してみます。

もちろん、世界自然保護基金は、世界規模の自然環境保護団体でなので、下記の様にメッセージ性が強くなりますが、人間の影響力の大きさについて、考えさえられる部分は多いです。

What is the sixth mass extinction and what can we do about it?

第6次大量絶滅とは何か、私たちは何ができるのか?

https://www.worldwildlife.org/stories/what-is-the-sixth-mass-extinction-and-what-can-we-do-about-it

The planet has experienced five previous mass extinction events, the last one occurring 65.5 million years ago which wiped out the dinosaurs from existence. Experts now believe we’re in the midst of a sixth mass extinction.

地球は過去に5回の大量絶滅を経験しており、最後の絶滅は6550万年前に発生し、恐竜を絶滅させた。現在は、6回目の大量絶滅の真っ最中であると専門家は考えている。

Unlike previous extinction events caused by natural phenomena, the sixth mass extinction is driven by human activity, primarily (though not limited to) the unsustainable use of land, water and energy use, and climate change.

自然現象によるこれまでの絶滅とは異なり、第6次大量絶滅は、主に(これに限らず)持続不可能な土地利用、水利用、エネルギー利用、気候変動など、人間の活動が原因となっています。現在、全土の40%が食料生産のために転換されています。

Currently, the species extinction rate is estimated between 1,000 and 10,000 times higher than natural extinction rates-the rate of species extinctions that would occur if we humans were not around.

現在、種の絶滅率は、自然絶滅率(私たち人類がいなかった場合に起こる種の絶滅率)の1,000倍から10,000倍と推定されています。

人工知能が人類滅亡を招く危険があるのは、人間の活動に起因する。

人間の活動が原因で、人類滅亡を招く恐れがあると想定した場合、人間が生み出した人工知能は、人間の活動を、どのように評価するでしょうか?

環境破壊に目を向けた場合、人間の人口が増えたことが大きな影響を与えていることは
間違いありません。

このまま、世界の人口が増え続けた時、人工知能は、人間の活動が人類滅亡を招く恐れがあると判断する可能性が高いです。

そうした判断に対して、人間がどのような活動をするのか?一つの答えには、まとまらない気がします。

人類の発展と環境破壊の対立、人間の活動によって、地球環境に変化が生じた結果として発生する様々な問題は、さまざまな対立を生み出しています。

自然に、正しい選択をするのか、人間の活動を続けるのか?

1800年頃は10億人程度だった世界の人口は、2020年で4倍の80億人まで増えています。

この200年で起こっていることは、自然の営みとは、明らかに違っていて、違和感があることだと理解しておく必要があります。