人間と人工知能の未来は、協力と相互学習により進化してゆく。

人間と人工知能の未来は、協力と相互学習により進化してゆくという考え方について考えてみたいと思います。

人間は、人工知能に自分たちの知識や経験を伝えることで、人工知能の能力や理解力を高めることができます。人工知能は、人間には難しい計算や分析をスピーディに行うことで、課題解決をすることや創造性を支援することができます。

このように、人間と人工知能は、お互いに補完しあいながら、新しい価値や知識を生み出してゆくことが出来るようになってきています。

このような未来を実現して発展させるためには、人工知能の仕組みや特性を理解し、適切な活用方法を学んで、最適なインプットを人工知能に与えることが求められています。

また人工知能は、人間の意図や感情を読み取り、適切な応答や提案を行うことが難しい部分もあります。

人間の思考を人工知能と比較した場合、人間は間違えることもあるし、勘違いすることもある部分が弱みですが、それが人間らしさの一面だとも言えます。

人間は、そのような欠点がありますが、人工知能とは違い、創造性や柔軟性を発揮することができ、自分の思考や行動に対して、自己反省や自己修正を行うことができるのが強みです。

人工知能は、正解を覚えた内容については、絶対に間違いないというのは、一見正しいように見えますが、実際にはそうではありません。

人工知能は、アルゴリズム通りに動きますが、そのアルゴリズムは人間が作ったものであり、人間の偏見や誤りを含む可能性があるからです。また、人工知能は、パターン化されたデータを学習することができますが、そのデータは必ずしも現実を反映しているとは限らないからです。また、人工知能は、予測不能な状況や変化に対応することが難しいことも言えます。

思考で人間が人工知能以上の能力を発揮する秘密

思考という部分で、人間が人工知能以上の能力を発揮している一例として、プロ棋士の藤井聡太さんの大局観があります。

大局観とは、部分から全体を類推し、方針を決定するための思考の働きのことを示す言葉ですが、藤井聡太さんは、対局する相手を惑わせる手を指すことがあると言います。こうした、相手を間違えさせる手を打つのは、人工知能にはできない戦略になるようです。

人工知能は、最善手や最適手を求めるが、人間は心理的な要素や感覚的な要素を考慮することができるので、人工知能を超えている思考を働かせていると言えるのではないでしょうか。

プロ棋士は、トレーニングでは、人工知能を相手に対局をして、研究をしていることもあるといいます。これは、人工知能から学ぶこともたくさんあるからです。人工知能は、人間が見落とすような新しい手や変化を発見することができるからです。

プロ棋士の羽生善治さんは、将棋はアナログに見えますがテクノロジーの世界である言います。

将棋は、人工知能が24時間365日、休むことなく考え続けられるので、人工知能には生産性の面では人間は敵わないと言えます。しかし、人間には人間にしかできない発想があり、人工知能には人工知能にしかない思考があります。

ゆえに、人間対人工知能という対立構造で捉えるのではなく、人間と人工知能は互いに学び合うパートナーであると考え、人工知能から発想やアイデアを吸収して、人間なりに理解して吸収していくことが大切だと考えているようです。

つまり、人工知能から何かを吸収して、人工知能以上の能力を発揮してゆくためには、自分の感性や直感にも頼って新しい発想を拡げてゆくことが求められます。そこには、人間の独自性や個性が必要な部分があるからです。