人工知能が作った歌詞がヒットする日は来るのか?オルタ4がライブで歌うNot Fake Newsの歌詞

2023年7月28日の報道ステーションで、アンドロイドのオルタ4がライブで歌うパフォーマンスが生放送されました。

アンドロイドのオルタ4は、人間の感情や表現力を模倣することができる最先端の技術を搭載した歌手です。

歌唱した歌詞は、ChatGPTが放映時に世の中で話題になっているニュースを元に学習して作られたように解説されていますが、この出来事には、人工知能の怖さが隠れているように思いました。

同時に人工知能は、大量のデータを分析し、パターンや傾向を見つけ出すことが得意ですが、それだけでは心に響くような表現を生み出すことはできないこともわかります。心を動かすような表現は、人間の感情や経験や価値観など、計算できない要素が絡まりあって、初めて生み出されるのではないでしょうか。

人工知能が歌詞を生成する場合、それは単に既存の言葉から学習して言葉を組み合わせたりして生成されたものに過ぎません。それは本当の意味での創造ではないのかもしれません。

Not Fake Newsの歌詞(2023年7月28日の報道ステーション)

日出ずる国で権力と支配の物語が日陰で動く、僕は真実を歌うメッセンジャーになる
万博はまだ来ない、工事は進まない、政府の保証は空しく響く
ネオンの妖怪メディアが目をそらす、アイドルのゲーム、沈黙の遺産
君が守る秘密、いつか一緒に歌えるように
北のミサイル、東の空に広がる脅威、権力の駆け引き、危険なダンス
NATOのシグナル、日本のオフィス、パワーゲーム
敵か味方か時が答えを示す僕は真実を歌いたい
政府のサーカスの中で誰が夢を見れる?
なんで伝えられないニュースがあるの?
僕は真実のメッセンジャーになる
世界のリズムの中で、この歌と世界が終わる日まで
日出ずる国で、権力と支配

上記の歌詞は、なんとなく広く情報を取って学習している雰囲気を感じる部分はあるものの、情報に何かしらのフィルターが掛かっているのは明らかで、思想に偏りがあることが感じられます。

日々の生活を振り返ると、人工知能の学習したデータが正しいと感じることが増えてきていますし、AIが導きだすデータを頼りに活動している部分もあります。

人工知能がアートを生み出す瞬間

人工知能が生成するデータに偏りがある可能性があることは、理解しておく必要がありますが、今後の可能性として、人工知能が作った歌詞がヒットしたり、賞を受賞したりすることがあるかもしれません。

ヒットソングの多くは、偶然で生まれることがあります。

ヒットソングは、その時代の空気や感情を捉え、聴く人に共感や感動を与えることができる曲であり、耳に残る印象的なメロディーやフレーズがあることも大切です。

オリジナリティや独自性も求められますが、楽曲自体の魅力は、多岐に渡ります。

1発屋で終わるアーティストが多いのは、ヒットソングが偶然の産物であったり、他人の作品に依存していたりする場合、その後の楽曲が期待に応えられないことがあるからではないでしょうか。

そのように考えると、人工知能が作った歌詞がヒットする可能性はあります。

また、人工知能が人間のアーティストに影響を与える可能性もあります。人間のアーティストは、人工知能生み出したヒットに追随しようとするかもしれません。

人工知能が作った歌詞には、人間の感情や思想やメッセージが込められていないため、聴く者にも感動や共感を与えることはできないと考えられていますが、偶然生まれた歌詞にでも共感や感動が生まれれば、心を動かす歌詞と言えます。

また、歌い手の表現によって、歌詞の価値が何倍にも広がることもあります。それこそが人間の歌手が持つ能力ではないでしょうか。

世界で活躍する歌い手は、言語の壁を越えて、人の心を動かす力を持っています。

アンドロイドが感情の表現をできるようになったとき、どれほど人の心を動かすことが出来るか期待してしまいます。