2024年4月に、Nora En Pure(ノラ・エン・ピュア)が来日しました。東京銀座にあるRAISEでの公演は、素晴らしすぎるサウンドでした。彼女の自然をモチーフにしたトラックは壮大で、今後広がってゆくであろうAI技術を活用したDJプレイについて考えてみたくなりました。
Nora En Pureの紹介
Nora En Pure(ノラ・エン・ピュア)は、南アフリカ出身でスイスを拠点に活動するディープ・ハウスのDJ。2013年にリリースしたトラック「Come With Me」で一躍脚光を浴び、業界の大物たちからも支持を集め、その知名度は世界中に広がり、Spotifyでは月間260万人以上のリスナーがいる大物。日本には、2016年5月にヒルトン東京のイベントで来日しているが、今回2024年4月はツアーでの初来日。
目次
AIで進化するDJプレイ
近年、音楽制作やDJプレイにおけるAI技術の進化は目覚ましく、独創的な音楽体験を生み出す可能性を秘めています。
従来のDJプレイでは、DJ自身が選曲、ミックス、エフェクトなどを駆使して音楽を繋ぎ、会場の雰囲気を盛り上げてきました。しかし、AIの登場により、DJの役割は大きく変化し始めています。
AIは、膨大な音楽データを分析し、楽曲のキー、テンポ、リズム、メロディーなどを自動的に解析することができます。さらに、DJの好みやプレイスタイルに合わせた選曲やミックス、エフェクト提案なども行うことが可能です。つまり、AIはDJの創造性を拡張する強力なツールとして活用できるのです。
具体的には、以下のようなことが可能になります。
オリジナル楽曲の自動生成
AIを使って、DJの意図に沿ったオリジナル楽曲を自動的に生成することができます。これは、既存の楽曲だけでは表現しきれない新たな音楽体験を生み出す可能性を秘めています。
リアルタイムな楽曲分析と調整
DJプレイ中に、AIが楽曲を分析し、テンポやキーを自動的に調整することができます。これにより、スムーズなミックスやシームレスな楽曲進行を実現することが可能になります。
最適なエフェクト提案
AIが楽曲の雰囲気やジャンルに合わせて、最適なエフェクトを提案することができます。これにより、DJはより効果的なエフェクトプレイが可能になります。
オリジナル楽曲を使ったDJプレイ
AIを使ってオリジナル楽曲を作り、DJプレイをすることも注目され始めています。
AI作曲ツールを活用する
近年、様々なAI作曲ツールが登場しており、これらのツールを活用してオリジナル楽曲を制作することができます。これらのツールは、初心者でも簡単に操作できるものが多く、独創的な楽曲を生み出すことができます。
AIを使ってオリジナル楽曲を自動生成できるツールを活用すれば、様々なジャンルや雰囲気の楽曲を生成することができ、DJプレイの幅を広げることができます。
AI DJミキサーを使用する
AI DJミキサーは、AI技術を搭載したDJミキサーです。上記で紹介したようなAI機能に加え、楽曲の自動マッシュアップやリミックス機能などを備えているものもあります。
AI DJミキサーでは、楽曲の自動分析、シームレスなミックス、効果的なエフェクトの提案など、様々な機能を実現することができます。
AI DJ機能を搭載したDJソフトのSerato DJ Pro
AI作曲ツールとAI DJミキサーを組み合わせて使用することで、より高度なオリジナル楽曲を使ったDJプレイが可能になります。
AI DJ機能を搭載したDJソフトのSerato DJ Proでは、AIによる楽曲解析や自動ミックス機能などを利用することができます。
AIが人間のDJを完全に代替することはない
AI技術の進化により、DJプレイはますます進化していくことでしょう。将来的には、AIが完全自動でDJプレイを行うような時代が来るかもしれません。
しかし、AIが人間のDJを完全に代替することはないと思います。AIはあくまでツールであり、DJの創造性や表現力を拡張する役割を担うものです。
その場の雰囲気を完全に把握することはできないですし、アーティストの直感とセンスを超えることはできないはずです。
アーティストの直感とセンスこそが個性であり、アーティストとのシンクロをその場で体感できるのがライブで音楽を聴くことの醍醐味です。
しかしながら、人間とAIが共創することで、人間だけでは表現しきれないような独創的な音楽体験を生み出すことができることにも期待してしまいます。今後、AIとDJがどのように共存していくのか、非常に楽しみです。