マトリックス レザレクションズを見るべき理由と考察【ネタバレ無し】

2021年12月17日(金)から、全世界に先駆けて、マトリックスシリーズ最新作の『マトリックス レザレクションズ』(原題: The Matrix Resurrections)が日本で公開されている。

色々と意見が分かれているようですが、マトリックスが好きな方には漏れなく鑑賞してほしいので、ネタバレ無しで、マトリックス レザレクションズをみるべき理由をお伝えしてみたい。

マトリックス レザレクションズをみるべき理由【ネタバレ無し】

1999年と2022年の時代背景とマトリックス レザレクションズ

1999年と2022年の時代背景を踏まえて、『マトリックス レザレクションズ』からのメッセージを受け取ってみると、『マトリックス レザレクションズ』は、単なるマトリックスの焼き直しのストリーではなく、そのメッセージ性に、大きな変化を感じるはずです。 「多様性」と「共存」というキーワードを意識しておくと興味深い発見が見つかると思います。

まず20年以上の歳月を経て、時代背景は大きく変化しています。 1999年といえば、まだインターネットが世の中に登場してまもない時期で、スマートフォンやSNSなどというものは存在していませんでした。 マトリックスが描くディストピアな世界観は、現実に存在しそうでも、あくまでSF物語であったわけです。

それが2022年現在、人々はスマートフォンで常にネットワークに繋がり、ネットワークには、アバターという自分自身の分身を使って活動を行わせている。 自分自身の名前での活動や、匿名性のある自分以外の人物をアバターとしてネットワーク上で活動させています。 メタバーズ(Metaverse) も実用レベルで登場し始めているのです。

*メタバーズとは、コンピューターやコンピュターネットワークの中に構築された現実世界とは異なる仮想区間、まさにマトリックスの世界!

キアヌ・リーブスが凄くいい

キアヌ・リーブスといえば、1994年公開の映画『スピード』でブレイクを果たし、1999年に『マトリックス(The Matrix)』で不動の地位を築いたスターです。

そのキアヌ・リーブスが、代表作のマトリックスシリーズ最新作に、主役で登場するというだけで、大きな価値を持っています、本物のネオ(Neo)を堪能できるからです。

キアヌ・リーブスは、近年「ジョン・ウィック」でも、圧巻の存在感でアクションを魅せているが、やはりベストパフォーマンスは、マトリックス(The Matrix)だと思う。(個人的には、2005年に公開されたコンスタンティンでのキアヌ・リーブスも魅力的。)

186センチの長身と圧倒的な存在感、どこか物悲しさを感じさせる部分もある。

この存在感は、演技を超えた部分でもあり、どこか親近感があるアジア系の雰囲気が残る容姿から滲み出てくる飾り気のなさ。

最近は、庶民ぽさをアピールする大スターも多いが、自然体でも魅力が伝わるのは、キアヌ・リーブスならでは。

残念ながら、キアヌ・リーブスの演技力は総合的にみて評価が低いのですが、その容姿から繰り出すアクションと、佇まいだけで十分です。

特にマトリックス(The Matrix)で、演じるトーマス・A・アンダーソン(ネオ|Neo)が、現実世界とマトリックスの境界線に戸惑う姿が、まさにハマり役なのです。

今回の『マトリックス レザレクションズ』(The Matrix Resurrections)では、その戸惑うトーマス・A・アンダーソンを演じてくれるのです。

当然のことながら、トーマス・A・アンダーソンを演じるキアヌ・リーブスが凄くいいのです。

マトリックス(The Matrix)のオマージュに溢れている

『マトリックス レザレクションズ』(The Matrix Resurrections)は、マトリックス(The Matrix)ファンのための映画です。

間違いなく言えることは、マトリックスの1作目、The Matrixが好きな人は、その各所に練り込まれている仕掛けにニヤついてしまうはずです。

元々、The Matrix自体が攻殻機動隊やAKIRAなど日本のアニメーションから大きな影響を受けており、各所に元作品へのオマージュが溢れていることは、作品の魅力の一つになっています。

そういう視点で見ると、過去作品の象徴的なシーンがフラッシュバックのように織り込まれてゆく、マトリックス レザレクションズには、マトリックスファンへのサービス精神を感じてしまうのです。

オープニングから期待値を裏切らない演出で溢れかえっているのです。

『スター・ウォーズ』のオープニングでは漆黒の宇宙の場面から、お馴染みの「遠い昔 はるかかなたの銀河系で…」というテキストの後、『スター・ウォーズ』のロゴとともに流れるテーマソング、テキストが遠方へと消えていくような演出が定番です。

あのオープニングスクロールが流れた時の高揚感に近い感動を味わうことができるはずです。

間違いないことは、マトリックスを見返して(特に1作目)予習をしてから足を運ぶとより素晴らしい体験になるということです。

もうひとつの視点として、映画マトリックスが1作目の大ヒットを受けて、2作目、3作目が制作されたこと、18年目に新たに完結した物語を動かすことを重ね合わせると、今回の物語の背景にあるメッセージが感じられ、作品がより楽しめると思います。

マトリックス レザレクションズは、とにかく映像が凄い

18年の時は、映像にどのような進化を与えたのか?

マトリックスの過去3部作は、その後の映画制作に大きな影響を与えたと言われるほど、数多くの映像革命を起こしてきました。

バレットタイム(Bullet-time)は、その代表格で、主人公のネオがビルの屋上で弾を避けるシーンは、映画ファンでなくても知っているぐらい有名なシーンです。

マトリックスの世界が現実と架空の区別がつかなくなるように、映像がCGなのか、リアルなのか区別がつかないほどに美しいのです。

特に爆発シーンの美しさは秀逸ですので、できれば、映画館の大画面、IMAXでの鑑賞をお勧めします。

恐らく、この作品の感想は、観る人によって大きく違ってくるでしょう。

純粋に面白かったか、期待はずれだったか?

自ら体験して観る価値がある作品だと思います。

もし少しでも興味があって迷っているなら?

ぜひ、大きなスクリーンで、2時間半集中して鑑賞してみてください。