タイパ(タイムパフォーマンス)を求めると人工知能が必要になる
タイパ(タイムパフォーマンス)を追求する時代、多くの人は最小の労力で最大のリターンを得られる方法を求めていると言えます。
この傾向は、人工知能を自然と活用するベースになる感覚ではないかと感じます。
多く学習データから学んで、最適な解答を提案してくれる人工知能のパトナーがいたら、私たちの生活は飛躍的に質が向上するはずだからです。
世の中は、全体的に、人に親切になってきています。多くの人が、自分で考えたり、試行錯誤するよりも、これさえやっておけば大丈夫、問題ないというアドバイスを求めている傾向が強いと思います。
情報が超過して、時間に追われはじめた人は、回り道や効率が悪いことを、とても恐れているのです。
最適なアドバイスを、それぞれの個人に最適化された形で情報提供してくれる人工知能を使ったサービスは自然と受け入れられ始めると思います。
自分よりも自分のことを理解している(と思われる)人工知能を不気味な存在と感じるか、自分のことを理解してくれると最良のパートナーと感じるかは、タイパ(タイムパフォーマンス)を求める人からすれば、人工知能はなくてはならない存在になるのではないでしょうか。
タイパ(タイムパフォーマンス、 タムパ)とは
タイパ(タイムパフォーマンス、 タムパ)とは、何か物事を取り組む際に、費やす時間とその投下した時間によって得られるものや満足度を比較した割合のことで、短時間で得られるリターンが多いほど、タイパが高いという意味の言葉です。
インターネットとスマートフォンが普及したことにより、人は隙間時間を有効に活用できるようになりました。
同時に、接続できる情報量が増え続け、もはり処理できる限界を超えた情報量の中で、毎日を過ごしています。
それに加えて、NetflixやAmazonプライム・ビデオをはじめとした動画配信のプラットフォームも廉価で提供される様になり、動画の視聴方法にも大きな変化が起こり始めました。
映画は、鑑賞するのではなく、消費されるものになってしまった
Netflixには、再生速度を1.5倍速で観られるモードが用意されているのですが、この機能を日常的に使いこなす人が増え始めています。
字幕、音声も視聴するには問題ないレベルで視聴することができます。
Youtubeにも再生速度をコントロールする機能や10秒早送りなど、時間を短縮して動画を見ることができる機能が充実しています。
先日、驚いた事件がありました。ファスト映画と呼ばれるコンテンツをYoutubeに投稿していたユーザーが著作権違反で逮捕されたのです。
ファスト映画は、映画を10分程度の動画にまとめ、ストーリーを把握できるようにナレーションを入れたダイジェスト映像のことを言いますが、著作権に問題があるのは当然なのですが、逮捕者が出るほど再生回数が伸びていたことです。つまり、世の中にニーズがあったことに驚きました。
映画をはじめとした映像作品は、細かいコマ割りまで厳密にタイムマネージメント(タイミング、間合い、フェードイン、フェードアウト、沈黙など、徹底した時間管理)されています。
その時間管理に、作品としての素晴らしさがあると思うので、ファスト映画を見ることで、作品を全て観なくても全体を把握して作品を消費する感覚には違和感を感じます。
ただ、タイムパフォーマンス(タイパ、タムパ)を重視する世代や消費者は、とにかく効率が悪いことを嫌う傾向があり、ハズレ映画を引く確率を減らしたいのです。
誰にでも、2時間の映画をみて、「時間を返せ!」と思った経験は何度があるかも知れません。そういう無駄を排除したい訳です。
あとは、SNSなどの普及が進むことで、つながりのある人との共有話題を短時間で作り上げてゆく必要あることも要因かも知れません。映画を楽しんでいなくても映画を見た人と話題が共有できるレベルまで情報を短時間でインプットできれば良いと考えているのかも知れません。
ただ、そうして効率化だけを求めてゆくと、冒頭15分で映画館で鑑賞したことを後悔した作品を我慢してエンディングまで観たら、実は素敵な映画だった・・・そんな経験はできなくなってしまうのかも知れません。
映画は鑑賞するものであり、消費するものではないと考える私でも、話題になっているNetflix動画の概要を掴むため1.5倍速で視聴することもありますし、字幕付きのYoutube動画は1.5倍速で見ていることが多いです。
そのようにライフスタイルや生活慣習は、緩やかに変化してゆくのかも知れません。