テクノロジーの発展によって、仮想と現実の境界線があいまいになり始めている。
少し前までは、映画など物語の中でしか体験できなかった技術が実用レベルで登場し始めています。
現在のVRは、人の感覚を錯覚させて、実際の環境とは別の環境や世界に自分がいるかのよう感じさせるので、ほぼ完全な没入感が得られる様になっています。
リアリティとは、現実感や真実性を意味する言葉ですが、体験を経験値とした場合には、VRでの経験は、実際の経験に近いと言えるのではないでしょうか。
現実世界での体験と区別がつかないほど、仮想現実に臨場感があると、経験という記憶が乗っ取られるしまう恐怖を感じてしまいます。
実際に、VRの没入感は脳に変化を与えることが判明しており、長時間VRの世界にいると、現実とVR区間の区別がつかなくなることがあると言われている。
仮想現実の臨場感とは
VRに危険性を感じる理由
VRでの体験は、単なる映像をみる擬似的な経験ではなく、実際の経験に近い影響を受けます。
映像との大きな違いは、映像は作り手の主導によって決められてた視点とシナリオへ進んでゆくのに対し、VRは個人が自分の動きで視点を動かすことができるので、見たいものを見ることができる部分が大きく異なります。
つまり、VRを映像の延長で考えるのではなく、VRによって経験が擬似的に蓄積されてゆくと考えるべきです。
VRディストラクションとは
VRディストラクションとは、VRで映像を見ながら治療を受ける医療行為です。VRで映像に意識を没入させることで、治療の痛みや不安を軽減することができると言われています。
その効果に驚く海外での事例数字があります。重度のやけどを負った１６歳の男子が医療行為を受ける際に、テレビゲームで気分を紛らわした場合にも、ほとんどの時間を治療の痛みについて考えていたそうですが、VRではなんと２％しか痛みについて考えなかったという結果があります。
また、治療中の痛み・吐き気・不安などが、75%も軽減されたという数字もあります。
VRでの体験に、脳と体はリアルな痛みを感じる
VRでの体験に、脳と体はリアルな痛みを感じるため、単なる映像を見るよりも実際の経験に近い影響を受けます。
それがリアリティにつながる体験になるのですが、例えば環境破壊を理解するために、チェーンソーで木を切り倒す体験をVRを使って行うと、より現実の体験として考えられるためか、実際に紙の使用量が減少したという研究があります。
これだけ、世の中でも報道され、多くの書籍で語られてきたことであっても、本を読んだだけでは、ほとんどの人には、リアリティが感じられていないのかもしれません。
実際に体験したことに基づいてしか人は行動しない。言い換えると経験したと脳が理解したことに基づいて行動しているのです。
そういう面では、VRによって経験が擬似的に蓄積されてゆくことは大切なことになります。
VRでの身体移転について
VRを用いて、身体移転という技術を使うと、仮想の身体を自分のものだと簡単に感じることができます。この技術を使うことで、自分以外の人間になった経験をすることで、自分の行動が大きく変わることことが期待される。
VRを活用して、自分以外の体験をすることで、文字通り、相手の立場に立つことが可能にになります。
VRでの体験リスクについて
VRを活用した技術やサービスを活用する上で、考えておきたい起きたいことが現実とVR区間の区別がつかなくなるリスクです。
脳にこれだけ影響を与えやすいVRには、当然リスクも存在しています。VRが脳に与えるリスクとして、暴力行動に抵抗がなくなることや、現実世界へ戻ってくることを拒み、VR区間へ依存し続けるケースも出てくるのではないでしょうか？
