第2回 AI・人工知能 EXPO【秋】(2021年10月開催)で感じたこと|訪問レポート

 

「第2回 AI・人工知能EXPO 【秋】」訪問レポート

今年も「第2回 AI・人工知能EXPO 【秋】」が幕張メッセを会場に、2021年10月27日(水)~29日(金)の期間で開催されました。

今回は、それなりの規模感で開催されると事前告知があったので、少し期待を膨らませて会場に足を運んだのですが、ブースの空きスペースも多く、熱量は今一つだったと感じました。

AI・人工知能EXPOには、第1回目から足を運んでいるのですが、実用例を紹介する展示パネルも増えてきて、具体的なAIの活用イメージがしやすくなり始めているように思いました。

同時に、目新しい展示は少なく、新しいものであっても既視感があるサービスが多くあるようにも思いました。

参考)第1回目の「AI・人工知能EXPO」は、2017年6月28日~30日の期間で東京ビッグサイトにて開催。

第2回 AI・人工知能 EXPO【秋】は、2020年10月28日(水)~30日(金)の期間で、 幕張メッセにて開催。

人工知能(AI)を活用する目標を明確に

今回の展示では、自然言語処理、画像認識、音声認識、対話型チャットボットなどの出展が目立ちましたが、各ブースで話を聞いてみると結局、人工知能(AI)を活用して何を実現するのかが重要な課題なのだと認識させられました。

人工知能(AI)を活用して自社の課題をどのように解決してゆくのか、その目標を明確にして取り組まなないと、膨大な時間とコストが無駄にかかってしまうことになります。

まだまだ、研究開発の領域を抜け出せていないサービスも多いので、ハッキリと取り組む方向性を示していかないと、組む相手によっては、実験台にされてしまうリスクもあるように感じました。

今後、人工知能(AI)を活用して解決できる課題

では、人工知能(AI)を活用して解決できる課題には、どのようなものがあるのか、少し整理してみたいと思います。

(1)業務を効率化する

業務の効率を上げるために、人工知能が活躍できる領域は多いです。

要するに人手や工数がかかる仕事をAIが代わりに行う際に、過去データなどを参考に最適なやり方を学習して実行してゆくことで、より少ない工数で成果が上がるようにAIがサポートすることで業務効率を上げてゆくことが可能になります。

(2)異常を検知する

今回もより具体的な事例とともに紹介されてるサービスが多かったのが、異常検知の領域です。ディープラーンイングを活用して、画像や動画の解析を行い、異常検知を図る取り組みです。

医療現場だけなく、検査検品の現場において非常に有能なサポートを実現しています。

熟練者の判断基準を大量のサンプルデータから学ぶことで、「何かがおかしい感じ」を自動的にピックアップしてゆくのです。

異常が見つかった画像や動画のデータを、人間が詳しくみて最終判断を下してゆく。検知が高い精度で行われることで、人との熟練者が確認できる件数を飛躍的に伸ばすことができるようになります。

(3)将来の予測をする

将来の予測をシュミレーションするのは、人工知能が得意としている仕事です。

主にディープラーニングと強化学習を用いて、最適化された現状把握や未来の予測を行うことを目指します。

ディープラーニングでは、画像などのデータから他のものと区別するための特徴を抽出してゆくことが可能になります。

強化学習では、最終成果を最大化するために、パターンごとに、個々の経験からフィードバックを戻して改善を積み重ねてゆくことで予測精度を上げます。

深層学習による特徴抽出と強化学習による予測制御を組合せることで、より複雑な将来の予測ができるようになるのです。

(4)ビックデータを活用する

大量のデータを人間が分析をして、その傾向を掴んだり、最適化するために、膨大な時間が必要になります。AIを活用することで、人間では難しい傾向分析や個別最適化をスピーディに実行することが可能になります。

大量のデータを処理するインフラ環境とパターン抽出を自動化して価値を見つけ出す業務は、AIが最も活躍できる仕事だと言えます。

(5)人を育てる

AIの導入にあたり、多くの企業が内製化が進まずに苦労しています。AIを導入する際、AIの知識が不足したままで自社導入を進めてしまうと、多くの予算と時間が無駄になる可能性があります。

逆に、AI開発に精通しているエンジニアが参加することで、AIの導入の成功率は飛躍的に上げることができます。

AIで実現できることを学ぶと同時に、どのようにシステム面で実現するかも重要になってくるため、AI活用のアイディアを実現可能な形で要件定義することができる人材を育てることが重要になります。こうしたノウハウをAIを活用することで、学習の補助をさせたり、必要な知識をレコメンドしやすくすることで、AI人材を育てることが可能になります。

今回のAI・人工知能 EXPOで感じたこと

正直な感想を言いますと思ったよりも勢いを感じなかった部分が残念でした。だた、リアルに目で見て、肌で感じることは大事なので、幕張の会場まで足を運んだことはよかったと思います。

人工知能(AI)が特別な存在ではなく、問題を解決するためのソリューションサービスとして認識され始めたことは強く感じました。

事例が増えたことで、より具体的な導入モデルがイメージできるようになったことと導入への障壁が明確になったことがこの1年で大きく変化してきたことではないでしょうか?

DXへの投資が増える中で、実際の現場で活用されるAIが増えてゆくことで、収集できる学習データが増えて、より精度の高いAIが稼働するようになる感じは、勢いのあるブースを見ながら感じることができました。