人工知能の未来を予測するために見ておくべき会社

人工知能の未来を予測するために、その活動を定期的に見ておくべき会社として、人工知能の技術研究で成果を上げている3社をまとめておきたいと思います。今回リストアップしたのは、OpenAI、DeepMind、Google AIの3社です。

OpenAIの活動

OpenAIは、2015年12月に人工知能を研究開発するために非営利団体としてアメリカで設立された団体で、電気自動車メーカーテスラのCEOであるイーロン・マスク氏などが中心となり設立されました。OpenAIの活動としては、大規模自然言語処理モデルのGPT-3(Generative Pre-trained Transformer – 3)と、自然言語処理と画像生成を組み合わせたDALL·E 2が有名です。
大規模自然言語処理モデルであるGPT-3は、人間が入力した言葉を参考に、そこに続く文章をかなりの精度で予測する能力があり、簡単な文章を入力することで、人間が書いたと思うような文章を自動生成してくれます。
また、DALL·E 2は、文章から画像を自動生成できるのが特徴のAIです。OpenAIは、最先端の技術開発に取り組んでいくと同時に、社会に与える影響や世界中の人々がAIの恩恵を受けられることを目指しているのが特徴です。
現在、AIの開発を進めている一部の企業のものとして独占的に利用される状況は、人類にとって不利益であるため、自社の利益より人類に貢献できることを考えて、活動範囲を広げてゆくことをミッションとして取り組んでいる姿勢が注目されます。

DeepMindの活動

2010年の秋、デミス・ハサビス氏によって設立されたロンドンを拠点にしたAI の会社です。2014年にGoogleに買収されたため現在はグーグル傘下の企業となります。
その名が知られるようになったのは、コンピュータ囲碁プログラムAlphaGOを開発したことではないでしょうか。
囲碁は、コンピュータが人間に打ち勝つことが最も難しいと考えられてきたゲームであり、囲碁という枠組みがある中であっても、人工知能が人間を超える能力を発揮した点は、人工知能の可能性を強く意識させる出来事になりました。
その活動は、汎用人工知能(AGI)を構築することを活動の目標としている点も注目すべき部分です。
最近注目されているのが、汎用性のあるAIである「Gato」です。
Gatoの優れている点は、マルチタスクを対応できることです。複数の種類のタスクを実行できることで、より汎用性が高いプログラムを実現することが可能になりますが、同時にシステムの処理能力が求められるようになります。
Gatoは、従来のAIシステムよりも設定すべきパラメーター数が少なくなっているため、よろ効率的に学習を進めて実行することができると言われています。

Google AIの活動

Google AI は、2017年にAI のメリットをすべての人に普及させることを目標に設立されました。
その活動目標を掲げ、人工知能の分野での最先端技術の研究を行っており、製品や新しいドメインに AI を適用し、誰もが AI にアクセスできるようにするためのツールを開発しています。
Google は、2014年に、人工知能が囲碁で人間を超える能力を発揮したAlphaGOを開発したDeepMind社を買収しており、人工知能の研究開発では、技術力も資本力もずば抜けた存在です。
何よりもGoogleの強みは、Googleアカウントに紐づいた利用実績をデータとして活用できることでは無いでしょうか。利用者が多いことは、ビッグデータの取得を可能にし、そのビックデータを分析することでAIの開発を進化させることが可能になります。例えば、スマートスピーカーGoogle Homeの音声認識能力(日本語)は、サービススタート時と比べて飛躍的に識別できる精度が向上しています。
特に検索は、日常生活に馴染み、あらゆるニーズを浮き彫りにするヒントが眠っています。検索エンジン、Gmail、YoutubeやGoogle MAPから収集された莫大なデータを元に、新たな価値を生み出してゆくのでは無いでしょうか?そうした新たなサービスの恩恵を気がつかないうちに利便性の高いサービスを体験することになるはずです。
また最近、注目されているのが画像生成AI「Imagen」と「Parti」です。
画像生成AI Imagen は、先に紹介したOpenAIのDALL·E 2と同様に、文章をもとに画像イメージを自動生成する人工知能になります。また、Google AIが優れている点として、機械学習におけれる評価方法についての考え方がしっかりとしている部分も注目しておきたい部分です。
人工知能を成長させるためには機械学習が欠かせませんが、その学習手順はまだまだ手探りな部分が多く、開発を効果的に進めるための手順は確立されていません。
そうした課題を解決するために、機械学習モデル開発の過程で役立つテスト手法を整えている点も評価できます。