人工知能で人間の脳は進化することができるのか?

Neuralink(ニューラリンク)とBrain Machine Interface(BMI)

「人工知能で人間の脳は進化することができるのか?」その可能性について考えるとき、気になる会社があります。それがNeuralink(ニューラリンク)です。
Neuralink(ニューラリンク)は、脳に埋め込まれたブレイン・マシン・インタフェースを開発する会社で、2016年にイーロン・マスク氏が共同設立した会社として有名です。
小さな電極を脳に埋め込んで外部のコンピューターを直接通信して操作できるようにするという未来の構想は、にわかには信じ難い技術で怖さを感じる部分もあります。しかしながら、想像が難しいレベルで、脳の使い方に変化が生まれる可能性がある技術でもあります。

BMIの分野は、技術革新もあり飛躍的に研究が進んでおり、実現できる技術になり始めています。
先月2022年8月22日に、イーロンマスク氏が、”Neuralink progress update show & tell on October 31 st (Halloween)”「10月31日にNeuralinkの活動について進捗報告と発表会を開催する。」とアナウンスしました。この発表会ではどんな内容がシェアされるのか楽しみです。
Neuralinkの活動は定期的に確認しておく必要がありそうです。

Neuralink(ニューラリンク)の技術とは

Neuralink(ニューラリンク)は、Brain Machine Interface(BMI)の研究開発を行なっている会社で、BMIとは、脳内インタフェースで、脳にチップを接続し、思考しただけで電子機器が操作できる技術です。
イーロンマスク氏は、電気自動車のテスラ社(TESLA)や宇宙開発のスペースX社(SpaceX)でも、目指すべき目標を達成してきた功績があるため、Neuralink社がBMIを実際に目に見える形で実現して、普及に向けた取り組みを進めてゆくことが期待されています。
Neuralink社は、現時点では、BMIを障がいや病気の改善に活用するための取り組みを進めています。身体の自由が効かない方でも、頭でイメージすることでキーボードを操作することができるようになるのです。
2021年4月頃に、脳にデバイスを埋め込まれた猿がゲームをしている動画が公開されています。動画の後半部分では、何かを操作をしているのではなく、思考してゲームをプレイしていることが確認できます。

このように、手で操作せず頭で考えただけで機械をコントロールできるため、新しいインターフェースとして注目されています。NeuralinkのBMIは、「Link」と呼ばれる小型の機械を脳に埋め込む必要があるため、人間の臨床実験は、まだハードルが高い技術なのですが、この動画を見ると技術的には実現可能なレベルになりつつあることを感じさせます。

脳にデバイス装置を埋め込む技術を支えるLinkとV2

NeuralinkのLinkを脳に埋め込むには、頭蓋骨に穴をあけて、数多くの電極を脳の神経に接続する必要があります。
Neuralinkでは、そうした高度な埋め込み手術をロボットで安全に実現することを目指しています。2020年に公開された手術ロボットが「V2」と呼ばれています。今回の発表会では、より安全性の高い埋め込み技術が発表されることに期待しています。
Neuralink(ニューラリンク)では、Linkを脳に埋め込む手術を誰にでも行える技術にすることを目指しており、将来的にはレーシック手術のように、選択しやすいレベルの手術になる可能性もあります。
人の機能を機械が補助する一例としては、心臓の機能をサポートするペースメーカーなどの技術があるので、技術的な安全性が担保されれば、多くの人が選択できる技術になります。

人工知能で脳を拡張することはできるのか?

BMIを活用することで、脳とダイレクトにインターネットへ繋いで脳の機能を拡張することや、脳と人工知能を接続することも可能になります。
また、BMIを利用している人同士であれば、テレパシーのような形で、言葉にすることなく、お互いの思考を共有することもできるようになります。
BMIが普及して、利用者が人工知能を使うことに慣れてしまえば、人間の脳のデータ処理能力は飛躍的に高まり、人工知能で人間の脳は進化することになります。
BMIを脳に取り付けることが一般的になれば、私たちの社会には大きな変化が起きるでしょう。