人工知能のセンチメントが進化する可能性について考えてみる

2023年は、人工知能（AI）にとって大きな転機になった1年です。私たちの生活の身近な場面にAIのご術が浸透しています。AIは、私たちが話す言葉を理解し、文章や画像などのコンテンツを生成することが自然体でできるようなりました。
ChatGPTとのやり取りは、人間の会話と変わらないほど、スムーズで、AIは人間の感情を理解しているようにも感じます。

今回は、人工知能（AI）のセンチメントについて考えてみます。

センチメントとは、感情分析とも言われ、ある状況や出来事に対する見方や意見のことで、AIが人間の感情を理解し表現する能力を示す言葉になります。

人工知能と感情認識

人工知能による感情認識は、人間の感情を理解し、それに応じて反応する能力の高さで能力が決まります。

対応のパフォーマンスは、自然言語処理（NLP）、音声認識、顔認識などの技術を組み合わせて高められています。AIは、人間の声のトーンや顔の表情、言葉の選択などから感情を読み取ることができるようになっています。

具体的には、テキストや音声データに含まれる単語やフレーズを解析し、その感情の傾向を判定します。

辞書ベースの手法では、単語やフレーズと感情の傾向を対応付けた辞書を作成して、テキストや音声データに含まれる単語やフレーズを辞書と照合して感情の傾向を判定してゆきます。

機械学習ベースの手法では、感情分析の教師データを用いて機械学習モデルを学習させ、学習したモデルを用いてテキストや音声データの感情の傾向を判定してゆきます。

AIのセンチメント分析（感情の分析）は、ソーシャルメディアの投稿、顧客レビュー、カスタマーサービスの通話などの分析に活用されており、分析結果を利用して、顧客の意見や感情を理解し、サービスを改善することにつなげています。

AIの感情と創造性

AIは、文章や詩を書いたり、音楽を作曲したり、絵画を描いたりするなど、創造的な分野でも活躍し始めていますが、人の心を動かすようなコンテンツを生成するためには、人間の感情を理解し、それを創作活動に活かすことが求められます。感情の理解と感情への影響が予測できるようになると、より人間に近い作品を生み出すことができるようになるのではないでしょうか。

AIは、人間の感情を理解することで、共感を生み出すこともできるようになり始めています。AI自身が感情を持つことは無くても、人間の感情を理解し、それに共感することで、人間はAIに理解されていると感じるので、心を開くようになります。AIが感情を理解することで、より人間に寄り添ったサービスを提供することが可能になります。

しかしながら、AIのセンチメントは、倫理的な問題も指摘されています。

AIがアルゴリズムによって、人間の感情を操作することが可能になるので、人工知能の活用には、倫理的な配慮が求められています。AIのセンチメントは、人の意思決定に強く影響を与える可能性があり、AIのセンチメントを感情を操作するために使用することについては、慎重に検討する必要があります。

また、AIのセンチメントは、主にテキストや音声データに含まれる単語やフレーズから感情を推測しますが、単語やフレーズには、必ずしも言葉通りの感情が伴うものではありません。そのため、感情を誤って推測してしまうことがあります。