BeRealが日本でも人気がある理由は、生成AIの普及と関係があるのか?

BeReal(ビーリアル)は、2023年後半から日本でも急激に人気が高まっており、2024年第4四半期にはApp Storeのソーシャルネットワーキングアプリカテゴリーで1位を獲得しました。今回は、この人気の理由と生成AIの普及との関係について考えてみます。

BeRealが日本でも人気がある理由

まず初めにBeRealが日本でも人気がある理由を整理してみます。

映えに縛られないリアルを共有

BeRealでは、2分以内に自撮り画像と周囲の風景を撮影し投稿する必要があります。加工やフィルターの使用は制限されており、ありのままの日常を共有することが求められます。この「映え」に縛られないリアルな雰囲気が、若年層世代を中心に支持を集めています。

承認欲求から解放されたコミュニケーション

BeRealでは、いいねやコメントの数が表示されません。また、投稿できるのは1日1回のみです。そのため、フォロワーの数を増やしたり、いいねを獲得したりすることに囚われることなく、気楽にコミュニケーションを楽しむことができます。これは、SNS疲れを感じている人々にとって魅力的な要素となっています。

リアルな繋がりを促進する仕組み

BeRealには、友達の投稿を閲覧できるDiscover機能があります。この機能では、友達の友達や、同じ地域に住む人たちの投稿を閲覧することができます。これは、新たな繋がりを発見したり、リアルな新しいコミュニティに参加したりするのに役立ちます。

承認欲求から解放されたコミュニケーション

BeRealが承認欲求から解放されたコミュニケーションを実現している点は、日本のユーザーにとって特に魅力的な要素となっています。
日本では、SNS上で「いいね」やコメントの数などを気にし、承認欲求に苦しむ人が少なくありません。BeRealでは、そのようなプレッシャーから解放され、ありのままの自分で人と繋がることができます。
また、BeRealは1日1回の投稿という制約があるため、常に投稿内容に気を配る必要がなく、気楽にコミュニケーションを楽しむことができます。
これは、SNS疲れを感じている人々にとって大きなメリットであり、BeRealが日本でも人気を集めている理由の一つと言えます。

BeRealは、まだ日本でのリリースから間もないアプリですが、すでに多くのユーザーを獲得しています。今後、さらに人気が高まっていくことが予想されます。
BeRealは、従来のSNSとは異なる価値観に基づいたアプリであり、ソーシャルメディアの未来を変える可能性を秘めていると言えるでしょう。

BeRealの対応の追われているという課題

BeRealは、従来のSNSとは異なり、加工やフィルターの使用を制限し、ありのままの日常を共有することを重視するアプリです。そのため、ユーザーからは「映え」に囚われず、気楽にコミュニケーションを楽しめるという評価を得ています。しかし一方で、BeRealにはいくつかの課題も指摘されています。

BeRealの対応の追われている理由
1日1回の投稿に制限があるため、ユーザーは投稿内容に気を配る必要があり、常にBeRealを意識するようになってしまいます。これは、SNS疲れを感じている人々にとっては逆効果となる可能性があります。

友人関係への悪影響

気持ちが乗らないまま投稿を続けると、友人との関係性に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、「今日は投稿していない」というだけで、相手に何かあったのではないかと心配させてしまう可能性もあったり、詮索されることになるので、気持ちは乗らないけど投稿を続けるこことになりストレスを抱えることなります。

承認欲求へ縛られてしまうリスクと回避方法

いいねやコメントの数が表示されない一方で、投稿閲覧数やリアクション機能が追加されたことで、承認欲求が芽生えてしまう可能性があります。これらの課題を踏まえ、BeRealをより健全に利用するために、利用に時には、コミュニティ内で次の点に注意することが重要です。

投稿を義務化しない

1日1回の投稿はあくまで目安であり、投稿する必要がないと感じたら無理に投稿する必要はありません。緩く対応してゆく方がBeRealへの正しい向き合い方です。

ありのままの自分を表現する

必ずしも「映え」を狙った投稿をする必要はありません。ありのままの自分や、その時の気持ちを正直に表現することが大切です。

SNSとの距離感を保つ

BeRealだけに囚われず、他のSNSも含めてバランス良く利用することが大切です。

eRealは、使い方次第で非常に便利なツールとなる可能性を秘めています。上記のような課題を理解した上で、上手に活用することで、より充実したSNSライフを送ることができると言えるでしょう。

BeRealと生成AIの普及との関係についての考察

BeRealの流行と、近年急速に普及している生成AIとの間には、密接な関係があると考えられます。

リアリティへの回帰

近年、SNS上での「映え」や虚構的な自己表現に対する反発が強まっています。ユーザーは、ありのままの自分や、リアルな体験を共有することに価値を見出すようになっています。
これは、生成AIがもたらす高度な加工やフェイクコンテンツへの警戒感の表れとも捉えることができます。生成AIによって、現実と虚構の境界線が曖昧になり、何がリアルなのか分からなくなっているという不安が、BeRealのようなリアル志向のSNSへの需要を喚起していると考えられます。

個性表現の新たな可能性

生成AIは、文章、画像、音楽など、様々なコンテンツを生成することができます。これは、個人の創造性を解放し、新たな表現方法を可能にするものですが、個性表現が薄まってゆく危険性もあります。
似たようなクリエイティブが増え始めるとより個性的な自己表現が魅力的になってゆきます。
BeRealのようなSNSで、よりリアルな加工前の表現が使われることで、クリエイティブのコンセプトや原点が浮き彫りになり、より個性的な自己表現を実現する手段となることが期待できます。つまり、粗削りだけど才能を感じる作品が増え始める可能性があります。

まとめ

BeRealは、リアリティへの回帰と個性表現の新たな可能性という、生成AIがもたらす変化の影響を受けるサービスともいえるので、今後、BeRealと生成AIはどのように進化していくのか楽しみです。