二刀流のマーケティングは、未来のマーケティングになるのだろうか?

未来のマーケティングは、二刀流?

今年2021年、一番話題になった言葉は、「二刀流」かもしれません。

そうです、メジャーリーグで大活躍したエンゼルスの大谷翔平選手のことです。

色々な場面で、この「二刀流」がキーワードとして使われてることが増えてきましたが、未来のマーケティングを示すキーワードとして使われていることも多くなりました。

これからの世の中は、デジタルとアナログの融合が加速し、バーチャルとリアルの境界線が消え、双方をハイブリッドで考える二刀流が求められているという話です。

このハイブリッドな視点について考えてみたいと思います。

二刀流のマーケティングとは何を示すのか?

大谷翔平選手のインタビューで興味深い視点があったので、少し整理してみたいと思います。

周りの人たちは、インタビューの時に、投手とバッターの二刀流という言葉を使いたがるのですが、本人は二刀流という感覚がないそうです。

投手と打者で圧倒的に高い能力を発揮しているだけで、それはプロ野球選手として、総合的に高いスキルを持っている選手を目指しているだけのことだと考えているようなのです。

この感覚には、とても感銘を受けました。

これからの世の中は、デジタルとアナログの融合が加速し、バーチャルとリアルの境界線が消えると言われていますが、そうした社会の変化も二刀流なのではなく、ごく自然な形で実現してゆくのではないでしょうか。

売らないお店とは? RaaS(Retail as a Service)

小売業では、デジタルとアナログの境界線を意識しない取り組みとして、売らないお店、RaaS(Retail as a Service)への取り組みを強化し始めています。

RaaSは、「小売のサービス化」のことで、小売事業者が、ITを駆使して、小売業向けに新たなサービス提供を目指す取り組みです。

販売を主目的とせずにAIやカメラなどを活用することで、来店客の行動を分析をするなど、出店企業向けにマーケティングデータを提供する取り組みなどは、その一例です。

データ分析にとどまらず、IT事業者の持つ最新テクノロジーを活用することで、新たに付加価値の高いサービスを提供することも可能になってきています。

新型コロナウイルスは、私たちの生活習慣に大きな影響を与えました。リアル店舗が緊急事態宣言により休業や時間短縮が進む中、自然と人混みを避けるようにもなりました。

結果的に、ECサイトでの購入機会が増え、ごく自然に受け入れられる習慣になったのです。

買い物は、店頭に行って商品を選んで買う行動から、ECサイトやサブスクリプションなどのサービスも利用者が増えて、あらゆる選択を消費者ができるようになりました。

境界線を意識せずに自然と一つのものとして考えてゆく

売らないお店は、店舗で実物を確認してからネットで買う購買行動が広まり、ショールームとして店舗を活用する動きです。

これからのリアル店舗ショールームとなり、店舗はブランドの世界観を伝える場所となり、店舗での体験価値をいかに消費者に伝えてゆくかが大切になってきています。

この変化は、二刀流としての取り組みではなく、その境界線を意識せずに自然と一つのものとして考えてゆく必要があります。

つまり、ECとリアル店舗を境界線を作らずに、一つのものとして考える感覚が求められているのです。

新たな体験価値を新しい技術を活用して提供してゆく感覚での取り組みをしてゆく必要があります。ECの機能を補完する存在して、リアル店舗を活用してゆきます。リアル店舗では、自分が知らなかったお店やアイテムに偶然出会うことができるのが魅力になります。出会った時には、シームレスのECで買い物ができる。

またリアルに店頭での接客というコミュニケーションで関係性を深めていた部分をデジタルで補完してゆく取り組みにも注目してゆく必要があります。