エクスポネンシャル思考と人口知能の関係性

エクスポネンシャル思考とは

エクスポネンシャル(Exponential)とは、直訳すると指数関数という意味です。指数関数のグラフが急上昇するカーブで上昇する様に、飛躍的な発展を遂げるテクノロジーの進歩の歩みを説明する時に使われている概念です。指数関数の成長は、直線的(リニア|Linear)な成長と比べて、急上昇を描くのです。

人工知能の未来について考える時、シンギュラリティよりも、このエクスポネンシャルというキーワードには注目しておく必要があります。

あらゆるテクノロジーは、このエクスポネンシャルなカーブにのって成長していきます。

エクスポネンシャルの本質的に意味については、人工知能研究の世界的権威のレイ・カーツワイル博士は、人間の直感がリニア(Linear)であるのに対し、人類やテクノロジーの進化は、歴史的にエクスポネンシャル(Exponential)であると述べています。

エクスポネンシャルとシンギュラリティ

エクスポネンシャル・テクノロジーとは、指数関数的に成長していくテクノロジーのことで、人工知能の技術も一例として挙げられます。

テクノロジーの進化の結果、いずれコンピュータは人間の知能を超える知能を手に入れ、シンギュラリティを迎えます。その結果、人間にはその超知能がどのように思考するか予測できず、人間の活動に劇的な変化が起こると考えられています。人工知能が人類の脳を超えることで、AI自身がより優れたAIを自ら生み出せるようになるのです。

一例をあげて考えてみます。アマゾンEchoに搭載されているアレクサは、驚くべき速度で成長している。日本語の音声認識率も劇的に改善され、音声によるバーチャル・アシスタント機能が現実的に活用できるレベルまで進化し始めています。

人間は、日常生活で、一日に会話をする人数は平均すれば多くても10人程度です。その人数に比べて、アマゾンは、日本市場に限定したとしても毎日何万人の人と会話をしてデータを蓄積して続けています。

コンピューターの演算能力は日々進化し続け、毎日数多くの会話し学習し続けることは、人間の学習量や知能の発達スピードと比較して想像できないレベルで進化し続けるはずです。AIスピーカーは、近い未来に人間と区別がつかないレベルで会話をすることが可能になるでしょう。

シンギュラリティであらゆるものは6Dになる

6Dとは何を示すDなのか。それは、デジタル化(Diditized)、潜在的(Deceptive)、破壊的(Disruptive)、非収益化(Demonetized)、非物質化(Dematerialized)、民主化(Democratized)の6つのキーワードになります。

デジタル化(Diditized)により、あらゆるデータはデジタル化されています。データは、デジタル化されることでデータを扱うことが容易になります。イメージするのであれば、印刷された書籍と電子書籍、映画館と動画配信サービスの違いを考えて見てください。量産化して普及させるには、デジタルの方が格段に適していることがわかると思います。

しかしながら、そうした流れが浸透するには、潜在的(Deceptive)に進んでゆくことが多いのです。気がついたは常識が変わっているいう感じです。例えば、携帯電話で会話をする機会は、著しく減っているのではないでしょうか。完全に無くなったわけではないけど、気がつかないうちに習慣自体が変化して浸透してゆくテクノロジーがあります。

そして気がつくと破壊的(Disruptive)なレベルで成長を遂げます。それはほんの些細なきっかけで変化を生み出します。一例を上げるとSkype等のビデオ会議システムは、距離を超えたコミュニケーションシステムとして認知はされていましたが、普及という部分では一部の利用者に限られていた部分がありました。

コロナ禍において破壊的なレベルで変化を起こしたのがテレビ会議(テレカン|teleconference|遠隔での会議)です。必要に迫られて多くの人が利用し始めたことによって、大変化を生み出したのです。

こうしたイノベーションを起こすテクノロジーは、非収益化(Demonetized)されてゆきます。多くの人は、携帯電話でお金を支払って通話することをやめて、無料のビデオ通話を利用しています。距離が長いほど、通話料が高くなること自体が理解できない利用者が出てくるでしょう。

データが普及することで、物やサービスが非物質化(Dematerialized)してゆきます。音楽CD(レコード)は、デジタルデータとなり定額サービスで提供されています。音楽を聴くことだけなら、サブスクリプションの音楽サービスを契約すれば楽しめる様になりました。CDやレコードを購入するのは音楽を聴くためではなく、所有欲を満たす行動に変化してしまいました。

サブスクリプションの音楽サービスは、月額僅かな利用料で、一生聴き続けても全てを視聴することは不可能な量のコンテンツを提供してくれています。

お小遣いをためて、毎月1枚のCDアルバムを購入する程度の投資額で、誰でも、あらゆる音楽を聴き放題で視聴することができ、新作もすぐに手に入れることができるのです。

、民主化(Democratized)され、誰にでも手に入れることができるようになるのです。

6Dのうち最後の民主化(Democratized)がもっと重要になります。

6Dの進展によって、あらゆる生産コストは下がり、金銭的な報酬だけで物事は動かなくなります。この変化により、活動に求める報酬が変化します。人とのつながりや充実感を感じること、意味があることが重要になってくるのです。