DAWN(ドーン)AVATAR ROBOT CAFE ver.βへ行ってみて、ちょっとだけ、心が優しくなれた。

分身ロボットカフェDAWNver.βを体感

先日、前から気になっていた日本橋にあるカフェにやっと足を運ぶことができました。

実際に体感してみて、率直な感想を述べると、「もっと早く来るべきだった。」というシンプルな結論と共に、ちょっとだけ、心が優しくなれた気がしました。

今回、分身ロボットカフェDAWNver.βを体感したことで、ロボットや未来、コミュニケーション、人工知能(AI)ついて、私自身のモノの見方を少し変化させて行かなければならないと感じました。

自分が今、興味があることは、人工知能の技術発展です。
人工知能の技術が進化した先に、人間とAIは、どのようなコミュニケーションを取ることが可能となり、どうすれば、ヒトはAIとのコミュニケーションにも温もりを感じる様になるのかを考えています。
そうしたテーマに関心があることもあり、「人類の孤独の解消」をミッションとするオリィ研究所のプロデュースするDAWNver.βを体験したかったのです。

分身ロボットカフェDAWNver.βとは

分身ロボットカフェDAWNver.βは、2021年6月に東京・日本橋にオープンしたカフェで、外出困難者である方がスタッフ(パイロット)として、分身ロボット『OriHime』と『OriHime-D』を遠隔操作して接客サービスを提供している実験カフェです。正式名称がver.βとなっているのは、常に常設の実験店舗として、ver.β(正式なリリース前の実証実験バージョン)であり続けようという開発者の想い込められているそうです。

今回体験したのは「OriHime Diner」(オリヒメ・ダイナー)

「OriHime Diner」は、遠隔で働くOriHimeパイロットと話をしながらランチとコーヒーを楽しむことができるプランで、こちらを予約することにしました。

日本橋エリアに行く予定があったので、DAWN(ドーン)の場所を調べてみようと思いホームページを見たら、ランチの提供付きで来店予約できることがわかり、前日に予約を入れてお昼頃に入店しました。
入口に入ると思ったより開放感がある空間が広がっていて心地よい。入口で、OriHime-Dに出迎えもらい、予約した席に着く。
席には、タブレットとOriHimeが目立つ位置に設置されていて、簡単にシステムの説明を受けると席にあるOriHimeから明るい声で話かけられる。担当パイロットは、いずみさん。
お互いにご挨拶をして、いずみさんに自己紹介していただく。
いずみさんは、自己紹介用のプレゼン資料やコミュニケーションを図るためのスライドを巧みに活用して説明をしてくれて、とてもわかりやすい。
パソコン環境や普段の活動をご紹介いただいたのですが、ほぼ寝たきりの中でも自分らしくクリエイティブ活動ができる環境を整え創作活動をしているそうです。
いずみさんに、お料理メニューの説明をしていただき、おすすめのロービーバーガーをコーヒーとセットで注文。
このロービーバーガー、柔らかいローストビーフがたっぷり入ったバーガーなのですが、本当に美味しい。正直言えば、施設への期待値が大きかった分、お料理のクオリティをそこまで気にしていなかったので、本格的なお料理に驚きました。
約30分間の会話とともに食事を堪能しました。

ちょっとだけ、心が優しくなれた気がした理由

冒頭で『ちょっとだけ、心が優しくなれた気がしました。』と感想を述べた理由は、普段のコミュニケーションの質について、ふと感じたことがあったからです。
日常を振り返ると、何げない会話やSNSでのやりとりにおいて、私たちは条件反射的にレスポンスを返すことで、お互いのコミュニケーションが成り立っているかの様な錯覚を起こしているのではないかと思うのです。
聞いているようで、聞いていない、当たり障りのないコミュニケーションが繰り返されているのではないでしょうか?

OriHimeのパイロットは、手や首を動かして遠隔地からであっても関係性を作るために、存在感を示そうと必死です。
今回は、私自身もコミュニケーションを取りたくて、一人で入店したのですが、わずか30分でも繋がりを感じる様なコミュニケーションができ、ちょっとだけ、心が優しくなれた気がしたからです。

人工知能と人のコミュニケーションの未来像を考えるとき、人間との関係性を見つめ直すことから始めなければならないと思いました。