メタバーズの楽しみ方は、没入感にある。アリアナ・グランデさんのメタバースでの12分間パフォーマンス

メタバーズの楽しみ方は、没入感にある。

アリアナ・グランデさんの12分間のパフォーマンス

2021年8月7日から9日に開催された『フォートナイト』のバーチャル・コンサートでの、アリアナ・グランデさん(Ariana Grande)の12分間のパフォーマンスは、メタバースの楽しみ方を体感できるライブ配信だったのではないかと思います。

イベントのカウントダウンが終了すると、プレイヤーは当別な空間に吸い込まれ、ポップなカラーのコースでサーフィンのようなミニゲームに参加させられます。この演出こそが、従来のライブコンサートでは体験できない、メタバースならではの非日常空間にいることを認識させる仕掛けになります。

そして、ミニゲームの体験が終わるとアリアナ・グランデさんが目の前に現れ歌い始めます。実際のライブコンサートでは体験できない距離感と臨場感を感じることができる演出です。

その他にも、自分のアバターが巨大なアリアナ・グランデさんと一緒にバーチャル空間を飛び回る演出や、階段を登るアリアナ・グランデさんを追いかける演出などもあり、バーチャル空間での時間を共有できるのです。

この没入感こそが、メタバースの楽しみ方なのではないかと思います。

CGのクオリティや体験としての面白さが従来のバーチャルイベントのレベルを遥かに上回るクオリティだと感じました。

ジャスティン・ビーバーさんのオンライン・コンサート

2021年11月19日に、ジャスティン・ビーバーさんによるオンライン・コンサート『Justin Bieber – An Interactive Virtual Experience』が開催されました。このコンサートでは、ジャスティン・ビーバーさんが自身初、メタバースでのパフォーマンスを披露したことが話題になりました。

このライブ配信ではメタバース上にデジタルアバターの姿でジャスティンビーバーさんが登場しているのですが、歌声がライブ配信であることは当然のこととして、同時にリアルタイムのモーションキャプチャーを行っており、デジタルアバターをアーティスト(ジャスティン・ビーバーさん)自身がコントロールしているのです。

これは、本当に画期的なことで、アバターを通じて、今という時間をファンと共有しているわけです。

その演出をわかりやすくするために、ワイプでモーションキャプチャーの様子を映し出している映像が入るのですが、この辺りが当たり前に感じる様になるとさらにメタバースは進化するのではないかと思いました。

今は、このようにワイプのような形で補足しないとバーチャル上のジャスティン・ビーバーさんは、ちゃんと本人の動きを元にしたものであると体感しづらい部分があるのです。(こうした問題は近い未来には解消されるはずです。)

ボーカロイドやVTuberといった、最初からバーチャルが前提の存在である場合はあまり問題にならないののですが、現実世界で活用しているアーティストがメタバースでコンサートを開催する場合、ファンは、デジタル上のアバターとなったアーティストに、現実と同じように熱狂することができるのか?半信半疑ではあったのですが、今回の舞台裏を見せるやり方は、ファンに対して、本当にジャスティン・ビーバー自身であると証明することによって、メタバースの世界に没頭してもらう狙いがあったのだと思います。

メタバースの未来

メタバース界隈で、最もインパクトのある出来事と言えば、2021年10月28日に(旧)Facebookが社名をMeta(Meta Platforms, Inc.)に変更して、メタバース業界への進出を強く宣言したことだと思います。

「メタバース」という単語が頻繁に登場するようになり、ニュースリリースでも、メタバースへ進出という見出しを目にすることも増えてきています。

Metaのページには、「メタバース」とは、同じ物理的空間にいない人々がともに創造し、探求することのできる仮想空間を意味します。そこは友人との何気ない時間、仕事、遊び、学び、買い物、創作活動などを楽しむことができる空間です。必ずしもオンラインで過ごす時間をさらに増やすためのものではなく、オンラインで過ごす時間をより有意義なものにすることを重視しています。と解説されています。

メタバースは、もう一つの現実世界として新たな生活を送ったりすることが想定されている新しいインターネットの形であり、コンセプトなのだと思いますが、メタバースが「金を産みそうな未来技術」としてメタバースでひともうけを考える企業が増えてきて、どれが本当に技術的な能力があるか見分けがつかない状態になりつつあります。今は期待値だけが上がっており、来年後半か再来年にはバブルがはじけるとも言われています。

歴史を振り返ると、2007年頃には、セカンドライフには約100万人のユーザーが押し寄せ、新たに誕生した3次元の仮想空間を楽しんで、デジタル不動産への投機に熱狂したりしていた。

今回は、セカンドライフが登場した時代とは、技術的な部分でもSNSが浸透した世の中の感覚も異なるので、熱が冷めてしまうことはないと思いますが、本格的な発展は、今のメタバースバブルが弾けてからなのかも知れません。

追伸)米CESでのメタバース関連の最新レポート

テレ東BIZのチャンネルから、米CESでのメタバース関連の最新レポートが配信させていました。
軽いヘッドセットと銃で撃たれた感覚が伝わるスーツが興味深かったです。
スティーヴン・スピルバーグが監督の映画「レディプレイヤー1」の世界がもうすぐ実現してしまいそうな気配です。