AIをコンパクト化してIoTと組み合わせて実現できること

AIとIoTを組み合わせて実現できること

AIとIoTを組み合わせて実現できることは、IoTがセンサーからデータを取得しクラウドにデータを収集することで、収集したデータを元にAIが学習することが可能にし、機器の動作クオリティを飛躍的に向上させることができます。
そうした、AIをコンパクト化して、あらゆる機器へ搭載することを可能にするための取り組みで、先行しているのがMaisart (マイサート)です。
Maisart とは、三菱電機のAI技術のブランド名称で、機器メーカーの知見を活かして、AIの演算量を削減し効率化することで、機器・エッジをスマート化するAI技術の実現しています。
エッジとは、モバイル機器などのデバイスや、無線基地局など、ユーザに近いネットワーク設備のことを示しますが、こうしたエッジ上の機器でデータ処理を行うことをエッジコンピューティング言います。

エッジコンピューティングとは

エッジコンピューティングをわかりやすく説明すると、IoT(Internet of Things)の問題点を解決する技術になります。IoTは、電子機器などあらゆるモノをインターネットに接続させ、お互いに情報をやり取りするモノのインターネットのことです。
IoTが普及し始め、常に情報が接続できる状態になったこともあり、IoTで取得し送られるデータ量が増大化してしまい、ネットワークやクラウドサーバに大きな負荷がかかるようになりました。ネットワークに大きく負荷がかかることにより、データ処理に遅延が起こり、情報のリアルタイム性が実現できなくなってしまいます。
エッジコンピューティングは、こうした問題を解決するための技術で、IoTで取得したすべてのデータをクラウドサーバに送って処理するのではなく、現場(エッジにあたる部分)で、できる限りのデータ処理を行い、必要なデータのみをクラウドに送って処理します。
データを分散させデータの蓄積・解析を行うことで、データ処理の遅延を防ぐことができます。

A Iをコンパクト化する技術

A Iをコンパクト化する技術として、まず考える必要があるのが処理能力の限られた機器にも搭載できることです。AIは、膨大な演算処理が必要になるため、A Iを搭載する機器には高い処理能力が求められますが、多くの機器は、限られた処理能力しか持っていません。
こうした課題を解決するためには、学習の効率化やデータ分析の高速化を実現する必要があります。こうした課題を解決するための技術革新は、Maisartの場合は、ディープラーニング、強化学習、ビックデータ分析、知識処理、メタヒューリスティクスの5つにあります。
ディープラーニング、強化学習、ビックデータ分析においては、高い精度を維持したまま、演算量を大幅に減らす独自のコンパクト化したアルゴリズムを生み出しています。
また、機器の知見を活かして効率的な学習を実現しています。
知識処理とは、人の常識や経験、感覚などの情報を体系化し、人の複雑な意図や行動を理解して予測支援するための仕組みです。また、メタヒューリスティクスとは、現実空間において、膨大な組み合せが発生するアルゴリズムにおいて、難度の高い最適化問題を解決するために、経験や直感的から導き出す手法(ヒューリスティクス)を有機的に組み合わせさせたものです。
多くの機器やシステムを効率的に制御するためには、環境に適切なパラメーター設定を導き出すことができます。

AIのコンパクト化によって実現できること

AIのコンパクト化によって、AIの搭載が難しかった機器にもAIを搭載することが可能になります。導入が容易であることで、AIが搭載された機器が導入される数が増えてゆきます。
また、IoTと組み合わせることで、産業用ロボット、インフラ設備、家電などの機器にAIを搭載することで、より使いやすく、安全で付加価値の高いサービスを提供することが可能になります。
現在、実用レベルで、AIの技術が生きる分野は、認識して識別することにあります。つまり、何か変化の予兆を検知したり、発生要因を特定したりすることに優れています。
また、過去のデータから最適な動きを選択してオペレーションができるため、AIによる高度な自動化も実現し始めているのです。
まず、身近なところからAIの導入が増えてゆけば、学習できるデータ量も飛躍的に増えて、より使える身近なAIが生み出されてゆくことになります。
データが蓄積されれば、さらに利用者に適したAIの搭載された機器が開発されるでしょう。