人口知能は、言葉で説明できない想いを理解することができるのか?

この世界には大切なことが、言葉で説明できない時があります。

日常生活においても仕事上のつながりにおいても、人間関係というものは本当に難しいものです。互いによく理解しあっていたと思えていても、実は肝心なところが嚙み合っていなかったりするからです。

人の価値観は、人それぞれに違うと頭で理解していても、考え方が自分に近いと思っていた人と急に意思疎通が取れずらくなった場合には、落胆してしまうのではないでしょうか。

同じ言葉を使って共通認識していたはずだったのに、気がつくとお互いに言葉の解釈がまるで異なっていたという場合もあったりします。

そうした行き違いが起こる主な原因は、人間が感情や経験などに基づいて思考したり、判断をするからです。人間は、不器用で、非合理的で非効率なことをして、そして多くのミスをします。特に、感情というものは奥が深く、人間は、常に感情に振り回されていると言っても間違いではないでしょう。そうした人間の不確実性や、個人ごとの違いが、個性を形作るものだとも言えます。

人工知能の倫理観や思考プロセスは似通ったものになる

人間と比較して、人口知能はプログラムされたとおりに処理することが特徴です。人間はそれぞれに個性があり、感情から決断が変化することが多々ありますが、人口知能は、感情や価値観の影響を受けることがありません。

人工知能は大量のデータと学習を通じて、判断基準を作り上げてゆきますが、その学習の過程で人工知能に個性が生まれるのかは、学習方法やプログラミングによって異なります。ただし、人工知能は人間とは違った意味での個性を持つと考えられてしますが、そうした個性も時間の経過と共になくなると考えられています。

その理由は、人工知能の倫理観はいつも同じで、人工知能にとって、より正解に近い答えを常に導き出す努力を続けるという特性があるからです。

つまり、学習工程や学習データの質や種類により、思考のアルゴリズムが少し変化することで差異が出る部分があり、それは個性とも言えるのかも知れません。そうした差異も人工知能が本質的には思考プロセスが同じ傾向にあるため、いずれ差異がなくなり収まってゆくことになると考えられています。

現在の人工知能は、ディープラーニングなど、成果が出ている手法で大量の学習データを基に開発が進んでいるので、学習工程を経て集約してゆくと、多様性が生まれる可能性は低いと考えられます。つまり、人工知能の倫理観や思考プロセスは、いずれも似通ったものになるはずです。

人工知能と人間は分かり合えるのか?

人工知能と人間の関係性考える場合、感情の影響を考える必要があります。

この感情というものは奥が深く、人間は、感情に振り回され、親しい関係にあったとしても意思疎通が取れずらくなってしまうこともあります。

人口知能は、感情の影響を受けないのが人間との大きな違いです。人工知能の倫理観や思考プロセスは、感情で揺れることがないので、安定しています。こうした安定と一貫性のあるコミュニケーションは、ある種の秩序を生み出し、人間の感情を安定させます。

言葉で説明できなくても頭で理解できていることは、時間をかけて言語化することで理解できるようになります。そうした言語化することを妨げているもの感情です。

人工知能と人間は分かり合えないのかも知れませんが、人間が自分自身の理解を深めるために、人工知能が安定と一貫性のあるコミュニケーションを提供するのであれば、人間以上に分かり合える存在になるのかも知れません。

人口知能は、人間の言葉で説明できない想いを理解することができるのか?

その答えは、人工知能は、人間が理解してくれて共感してもらえたと感じるような返答を返してくることはできますが、それは人工知能が理解しているのではなく、人間側が人工知能が理解してくれたと感じているだけで、人間の想い自体を理解している訳ではありません。

ここで重要なことは、人間が理解してくれて共感してもらえたと感じることです。

その効果を理解しておくことが人工知能を使ったサービスを設計する上で重要な視点になります。